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最後の恋に花束を
第5章 大学一年の春

「 ど… どこで寝ればよいですか… 」

『 は?ベッド使えば?』

彼の部屋で寝れる場所は、ベッドしかないのは分かっていたが、一応と思い確認を取ると呆れたような返答がきた。


「 … ハルくんは?」

『 俺、床で寝るから 』

「 えっ… 家主なのに…?」


カーペットの上に枕と毛布を用意する彼。カーペットの上といえど、床の硬さには変わらない気がしていた。


『 じゃあ添い寝する?』

「 いっ…いやっ結構です… 」

『 ははっ、ジョーダン。』


笑いながら彼は床に寝転がる。私はその横からベッドに横になると、シングルにしては大きく感じた。


『 … 電気消すよ?』

「 … ん 」


モゾモゾと布団を被ると、ふんわりと良い香りに包まれる。その香りに少しだけホッと安心する。私を包むベッドは、やはり大きく感じた。


パチッと部屋の電気が消え、闇に包まれる。
途端に、なぜだか再び心臓が高鳴り始める。

きっと、誰かと共に一夜を過ごすことに緊張しているのだと…自分に言い聞かせた。


「 ねぇ… ハルくん?」

『 ん… なに? 』

「 これ、シングルベッド?」

『 んや? ダブル。』


その返答に私は、あぁやっぱりな… と納得した。
一人にしては広いベッド。いつもシングルベッドで寝ている私には広すぎる様に感じていた。

暗闇に目が慣れた頃、布団から顔を出して床に寝転がる遙を見ると、私に背中を向けて丸まっている姿が見えた。

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