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最後の恋に花束を
第6章 大学一年の冬

罪悪感からか、目元がカッと熱くなり涙が溢れていくのがわかった。そんな事も知らずに、彼は私の身体に何度も口付けを落とす。

チュッと胸の突起物に彼の唇が触れると、私の身体は反射的にビクリと震える。彼の唇はそのまま蕾をチュウッと吸い上げ、私の身体に跨る。

仰向けになった私の身体。

その反動で目元から涙が零れるのがわかった。

タイミングよく、彼は私の表情を見る。少し驚きながら私の身体から唇を離すと、優しく私の髪を撫でた。


『 … どうしたの、可奈 』


不安そうな表情を浮かべて顔を寄せる。そして、私の瞳から溢れる涙を指先で拭った。


「 … ごめん 、ハルくん… 」


その優しい手が私に触れた瞬間、再び涙が溢れるのがわかった。


胸が … 痛い。


『 … 可奈 』


不安げな表情を隠すように一度俯く彼。私を呼ぶ声と共に顔を上げたその表情に " 不安 " という感情は消え失せていた。


『 … 好きだよ 』


その言葉に、再び私の胸は締め付けられる。
けれどその痛さは辛いものではなく、喜びだった。


「 … わたしも 、好き 」


そう小さく溢して、しがみつく様に彼の身体を抱き締める。私は彼の言葉を信じていた。疑う事すらも無く。彼と暗い闇が広がる沼の中へと足を踏み入れた事を確信して。そして… 彼と共に、暗い闇の中を突き進むことを決心した。

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