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君に熱視線゚
第53章 恋の修羅場ラバンバ!
他の宿泊施設でもリクレーションと称した様々なオプションツアーが開かれている。
町内の到る所に隠された謎解きツアーや、この村の大地主。東郷家の古い屋敷を使っての国盗り合戦ゲームには歴女の生徒達が沢山参加していた。
一日二日では楽しみきれない。
飽き性の現代人には欠かせない“また来たくなる”遊び心。
それを擽る必要があった。
バブル期の商売は何事も最初から設備投資に多額の資金を掛けていた。
だが今はその時の負の財産が溢れている。
在るものを巧く再利用。
リサイクルで利を生む時代だ。
「箱(建物)を作る費用が丸々浮いた分、他に予算をつぎ込めるからいいですね」
「ああ。専門的な人材も集められたしな……不必要な費用はできるだけ削る」
「リサイクル様々ですね」
「だな……」
ツアーに参加せず、一緒にモニターを眺める直哉の言葉に晴樹は頷いた。
「リサイクル……か…」
晴樹は独り言の様に呟く。
“ああっ…兄さんまだ潰したらダメだよそれ…っ…”
“何だよ?空だからいいだろ?”
“ダメだってまだ使えるからっ…”
“………”
「……ぷっ…」
「ん?……どうしたんですか晴樹さん…」
「いや、何でもない……」
晴樹は金銭にゆとりがある今も尚、ペットボトルの容器をミニプランター代わりに再利用し、葉野菜を栽培する苗の姿をふと思い出していた。