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君に熱視線゚
第53章 恋の修羅場ラバンバ!
晴樹は二人の前まで歩き腕を組んで上から威圧を掛けた。
「ミッションクリアしたなら速やかに戻る。配ったプリントにそう書いてあっただろ」
もっともらしいことを口にする晴樹の口調に苗はまたプッと頬を膨らませた。
「なんだその顔は?アン◯ンマンか?」
「違うだよ!言われなくても今から戻るとこだっただよ!」
「じゃあ早く戻れよ」
「……っ…」
厳しい口調にに苗は尚更ムッと口を尖らせていた。
怖い中を頑張って歩いたのに、晴樹の鬼のような態度が苗もちょっと気に入らない。
「なんだよ兄さん自分は何もミッションやってないくせにさっ」
「俺はイベント主催側だろ?」
「……っ…」
晴樹の当たり前だと言いたげな口振りに苗の顔が思いきり歪んだ。
ううっと声を漏らした苗の背中を悟が軽く押す。
「苗、これ持って先に戻って」
「ううっ…」
「俺のも班の奴に渡して。早く調理に入らないと間に合わないから頼むな」
悟は今にも泣き出しそうな苗を急かした。
「あ、苗っちょっと待て!」
頷いて駆け出した苗の背に晴樹が腕を伸ばす。
その動きを悟が遮っていた。
晴樹は邪魔をする悟を睨んだ。
「なんの真似だこれは」
「苗に近付かないで欲しいから」
「──……」
悟の口から出た言葉に晴樹は驚きを隠せなかった。