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君に熱視線゚
第1章 きっかけ


押して開くなら頭で押し開けたのだが、悲しいかな…ドアは引き扉だった…



ただ、ココは高級レストラン…

店内にはちゃんと、ドアマンがスタンバっているのだが
そのドアマンも自分の任務を忘れてしまう程に苗の行動は突拍子もなかった‥




── ゴンッゴンッゴンッ!!…
痛、ひ……
誰か早く気づいてっ…






「ちょ、もしかしてあれ…っ……やだ、苗ったら恥ずいっ」


店内から丸見えの苗の行動に中島達、女子校の一同はみんな下を向いた。
そして、




…っ…スゲー体張ってんな…
「……おい、早く開けてやれよ…」


見かねた晴樹がドアマンに指示を出していた。

急に開かれたドア。四度目の頭突きを構えた苗が店内に真っ直ぐに突っ込んでくる!



「――えっ!? ちょっおわぁっ!!――とっとっ…っ…」


突っ込んだ勢いに任せ転びそうになる苗!
しかし苗は踏ん張った!!



…玉子は絶対守るんだっ!!


そう己に言い聞かすようにムンっ!とした表情で鼻の穴をプカっと膨らませ、苗は歌舞伎役者のようにぐっと踏みとどまった!!



「──…っ」

「……っ…」

「──…っ…」



「‥‥‥エ‥エヘっ…ども…只今、到着でし」



店内の注目を一斉に浴びつつ苗は一礼をする


… ふぃ〜焦ったっ…
大事な蛋白源がおじゃんになるとこだったょ。


苗は額の汗を軽く拭う。
お肉少なめの田中家では玉子は大事な蛋白源なのだ。
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