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君に熱視線゚
第10章 無敵伝説

チョロチョロ…カポ―ンッ――

庭先でチョロチョロと岩清水の流れる涼しげな音と“ししおどし”が鳴り響く中…

晴樹と辰治は互いに向きあい緊張感に包まれていた…



「お久しぶりです…辰治さん…」


「おぉ…」




「では、辰治さん。二年前の続きを…」

「おお…」

晴樹は辰治に頭を下げる。

「総代、始めますが準備はよろしいでしょうか?」

「おぉ‥」


「では、前回の続きから……後手、晴樹さん」


――パチッ――



は!!ッ―――…っ


辰治は思わず息を飲んだ。

「ぅぬぬぬっ…またしてもわしの負けかあ!!」


辰治は叫ぶなり、将棋板をひっくり返した!!!


「33戦33敗…総代、晴樹さんの圧勝です…」


「…っじゃかましぃ!! 圧勝ゆーな!! このっボンクラがあ!!」


「…す、すいやせんっ」


辰治の剣幕に若い衆は怯えていた。

そう、晴樹と辰治‥
この二人はお互いの勝負に決着をつけるべく2年越しの再会を果たしたのだ。


その勝負とは日本人にもっとも馴染みのある精神勝負の王道‥‥‥将棋…。

辰治は晴樹が海外行きの飛行機に乗るギリギリまでこの勝負を申し込んでいたのだ‥

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