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君に熱視線゚
第11章 復活際
「じゃあ、お母ちゃん。行ってくるょ!」
「ちょっと苗!待ちなさい」
夕べの雨が嘘のように上がってしまった土曜日の午後、バイトから帰って支度を済ませ慌ただしく家を出ようとする苗をオカンが呼び止めた。
「あんた、せっかくのデートなのにちょっとはお洒落しなさい‥」
「ただ映画観るだけで
デートじゃないょ‥」
屁理屈を言う苗の顔を掴みオカンはリップグロスをぬりぬりすると苗のバックにしまってあげた
ジーンズにチビTはボティラインが目立ってしまうので普通のTシャツを着て靴を履く苗をオカンはため息混じりに眺めた‥
‥せっかく夏目クンから誘ってくれたのにこの娘ったら‥‥
家庭環境のお陰で妙に所帯じみてしまった娘を身重のオカンは不憫に思う
‥晴樹クンだってあんなに
カッコイイのに何一つ意識してないなんて‥‥我が娘ながら、変わってるわ
オカンは真っ赤になりながら晴樹と話す由美を見てコレが普通の年頃の娘だわ!
そう実感していた‥
「じゃあ行ってくる」
オカンの胸の内も知らず苗は夏目とのデートより、映画のことを考え嬉しそうに出掛けて行った。