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君に熱視線゚
第14章 つながり
「誰が言ったよ…」
静かな口調で聞き返す晴樹の表情に周りの皆が息を飲む。
「誰が言った……」
‥夏目以外に誰がお前にそんなことっ‥‥
晴樹の睨むような視線にさすがに鈍感苗もたじろぐ。
……っ…兄さん…コワいょっ…
突然、自分の知らない男の存在をほのめかされ晴樹は落ち着きが取り戻せない
「なんで言わない‥」
聞いても黙ったままの苗を晴樹は更に睨みつけていた。
ただ、苗は言わないというか‥びびって言えないだけだった。
苗達がそんな晴樹の威圧感に飲まれ沈黙に包まれている時に、田中家には一本の電話が鳴り響いていた──
ガチャ!
「もしもし?」
『あ、おばちゃん?
俺、悟(さとる)だけど!苗いる!?』
「ああ悟クン?苗、今
図書館に勉強に行ってるのよね」
『苗が勉強!?
そんなに無理するなって言って。
ところで、今度も夏休みはこっちに返ってくるんでしょ!?』
「今回は、みんなでは帰らないわ。おばちゃんも今お腹が大きいから大変だし、苗だけ帰らせるから墓参りも一緒に行ってあげて」