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君に熱視線゚
第17章 慕情
『べつにお前とキスしなくても相手なんて他にいくらでも居るからな』
‥いるわけない‥
そんなの──!ッ
「‥フッ‥──ッ苗!」
強く溢れ出す想いに思わず口から声が漏れ晴樹は苗から顔を離した‥‥
眠ってれば嫌がられない‥
じゃあ‥眠ってる時ならキスしても──ッ
そう思ってしまう自分が惨めだった‥
晴樹は痛む胸に顔をしかめながら苗を見つめた
『そんなのもちのろんだょ!
苗は兄さんのこと大好きだもん!』
昼食時の苗の言葉を思い出す…
なんの躊躇いもなく、あっさりとそう口にしてくれた…
晴樹は苗の頬を愛しそうに撫でる
「苗‥‥‥違うよ‥
俺の好きは‥
そんなに簡単じゃない…」
晴樹は苗の耳元でそう囁き、そっとキスの音を立てた‥‥
― バタン!
「晴樹クンありがとね! いつもお土産まで頂いて」
「いや、気にしないで下さい」
三時間の道のりを走り、晴樹は途中で購入したお土産と苗を田中家へと無事に送り届ける
「じゃあ兄さんありがとう!!写メ後で送るからっ」
‥写メ!?
晴樹は、はっとした‥
そぅ、デジカメ以外に写メがあることを忘れていたのだ