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君に熱視線゚
第17章 慕情
「家着いたら取ってこいよ?
換金するにも身分証がいるから俺が換えて来てやるから、その足で水道代払いに行けばイイだろ?」
「‥そう…だょ‥
‥そうだよねっ!
さすが兄さん!!」
重いタンクを朝、運ばなくてもいぃんだ!
そう思えただけで苗は幸せだった──
「兄さん!!」
苗は運転中の晴樹の肩を突然掴む!
「なんだ?」
「ハグしたいっ!!
苗はなんだかとっても兄さんをハグしたいょ!」
「──…っ…運転中だから後でな」
キラキラしながら訴える苗に晴樹は少々困惑していた‥
晴樹の言ったとおり商品券を換金するとかなりの現金が手元に戻り、苗は水道代を全額払い込む。
「はぃ、ご入金ありがとうございます。
水道は今から行ってすぐ開栓しますから」
「おねがいしますっ!」
夏場の断水は命取り。
水道局の人は毎回駆け込み寺に来るように、水道局に来ていた常連の苗に、払ってくれさえすれば文句も言わず快く受け付けてくれていた‥
集金のおいちゃん達は今時、家の為に頑張る少女として密かに苗を見守ってくれていたのだ‥
従って、苗の家の集金もギリギリまで伸ばしたり努力をしてくれている。