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君に熱視線゚
第29章 恋慕
「別に大した傷じゃない‥」
死のうとした俺を貴志が止める為に出来た傷‥
アイツは俺の恩人でもある‥
たぶん、俺はこの傷を見る度に思い出す‥
苗がこの世にいないと思いこんだ時の辛さを‥
だから、丁度いい。
俺は苗なしでは生きていけない――――
それが確信できたんだ‥
それでもやっぱり欲はある
側にいるだけじゃ飽き足らない―――
キスだってしたいし‥
抱きしめたい‥
抱き合いたい‥‥
いっそのこと、また条件付けて毎日キスしたい‥‥//‥
「ねぇ晴樹‥‥」
物思いにふける晴樹にリエが話しかけてきた
「今から家に行く?‥‥//」
リエはまだ晴樹があの時の優しいままだと思い込んでいた‥‥‥
「‥‥傷に響くから――」
そう言ってさりげなく断ると晴樹の携帯が鳴りだした
晴樹は着信音を聴いて慌てて携帯を手にしていた――
着信音で誰だかすぐにわかるようにメロディ分けしてある
今かかってる着信は間違いなく苗からだった―――
「も、もしもしッ!!苗!?」
『ぅお兄さん早いね、電話出るの』
リエは晴樹の電話の取り方に怪訝な顔をしていた