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君に熱視線゚
第29章 恋慕
‥なえってなに…女の名前?
リエは電話の声に聞耳を立てた‥
携帯から響いてくるのは間違いなく女の声‥‥‥
今更、晴樹の携帯に女から連絡入ったって驚くことはない‥
それよりもリエが驚いたのは‥
今まで、見たこともない表情と聞いたこともない声で話す晴樹の応対の仕方だった―――
まったく素のままに表情をコロコロ変え話し方も弾んだり不機嫌になったり慌ただしい‥
そして、着信音が鳴った時のあの表情――――
リエが初めて見た冷静な晴樹の嬉しさに高揚した顔だった‥
せっかく自分の方を向いてくれたと思ったら、あの日学生の男が乗り込んできて自分を突き飛ばした‥‥
訳もわからず、晴樹と貴志が店を出て行きその学生の子も出て行った‥それっきり晴樹には連絡しても返事は返ってこなかった―――
そういえば‥‥あの時も学生の子が、なえ なえ!って叫んでたような気が‥‥
リエは携帯を手にムキになって受け答えしてる晴樹を見つめた‥
「苗?
なんか周りがうるさいけど何処にいるんだ!??」
『今ねぇ、駅にいるだょ!!』
「駅!!?なんで!?」