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君に熱視線゚
第29章 恋慕
―カチャ!
「ただいま‥」
‥なんだ…
可愛い息子が一週間ぶりに帰って来たってのに誰もいないのか?
昼過ぎに家に帰り着いた夏目は誰も出迎えてくれないことに不満を抱えながら自分の部屋で一息つく‥
そして携帯を手にして今更思い出していた‥‥‥
‥俺‥‥‥
そーいえば、苗の自宅の番号も削除してた‥
――――クソッ‥‥
苗との接点をすべて消し去った自分に腹が立つ‥
携帯の電話帳に頼る若者は番号の暗記が不得意‥
夏目は苗の番号をまったく覚えていなかった
連絡を取ることが出来ない!!
そう思っただけで胸が裂けそうな程に痛むっ―――
夏目は由美に連絡を入れた
由美とも苗と別れてから全然会っていない‥
気まずい思いはあるが今の状態ですがることが出来るのは由美しかいなかった‥
由美も出てくれなかったらどうしよう―――
すべてが不安になってくる
胸の痛みに便乗して携帯を握る手が震え涙が溢れそうだった‥
「はい。誰ですか?」
携帯からは少しトーンの下がった声が聞こえた‥