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君に熱視線゚
第38章 学園祭*付録

空を仰いだまま、瞳を閉じて後ろの壁に形のいい後頭部をコツンと何度も当てて胸の疼きを紛らわせる。

そんな晴樹に直哉はウインクを返して立ち去っていく。

どうやらこちらに向かってくる苗の姿に気がついたようだった‥


「あ、兄さん!!」

苗は晴樹を見つけると直哉が座っていた場所にすとんと腰を下ろした

そして招待券を差し出す。


「──…これ‥

いいよ。由美ちゃんにあげたかったんだろ‥」

「うん。‥でも由美達もう、持ってるんだって!!
彼氏がちゃんと用意してるからって。
だからこれで一緒に行こ!」


「‥‥‥

お前、他に行きたい奴いないのかよ‥//」


苗の気遣いになんとなくぶっきらぼうに答えてしまう‥

「兄さんが行かないなら他に誘うけど‥」

‥なに?


苗の言葉に晴樹の表情が一瞬険しくなった。

「他にって!?」

「他に‥あぁ、空がテストの点数よかったからご褒美に連れて行こうかな」

‥あぁ‥空か


‥・・・・


またしても、苗の言葉に一喜一憂する自分がいる‥

いつものことだが苗の言葉に深い意味はない

でもそれについ、振り回されてしまう自分に晴樹はため息が溢れた‥


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