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君に熱視線゚
第40章 心の変化
この一言を搾り出すのに晴樹がどれだけ乱れそうな声を堪え我慢してるかも知らず、無邪気で残酷な明るい声で苗はさらりと受け答えしていた
「兄さんとこにお泊まりコースなんだ、そのお客さんって?
だったら大変だねぇ」
『ああ‥でも苗、
忙しくても大丈夫だから‥
困ったことあったら直ぐ電話して……もう俺からは‥あんま、連絡しな…っ──』
‥クソッ
上手く喋れない‥っ
込み上げる想いを押し殺し、吐き出す言葉を噛み締めながら晴樹は必死で呼吸を整える
「電話出来ない?」
『‥ああ‥もう‥っ』
‥俺からはもう、電話はしないっ‥
どんなに声が聞きたくて電話をしても苗からしてみれば迷惑なだけだ‥
それは今まで何度も経験してる
用のない電話はコイツは望んでない‥っ
「わかった!じゃあ用があったらこっちから、かけるだよ!!」
『──…ああ…でもな…でも、苗‥っ──…忙しいけど遠慮しなくていいから…っ』
‥望まないからっ傍にくらいはッ
苦しくて胸を抑える晴樹に苗は無情な返事を軽く返してくる。そしてそんな苗の言葉を聞いても、それでもついしがみついてしまう自分自身が惨めに思えてならなかった。