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君に熱視線゚
第41章 心の変化(苗の異変)
晴樹はそう言って苗の背中を叩き、気合いを入れるように立ち上がらせる
そして、みんなで結城グループが経営する中華料理屋に向かった‥
「ここなら持ち帰り出来るからみんなにも持って帰れるだろ?」
「ぅん‥」
時間は七時を少し過ぎた頃‥
晴樹は田中家のみんなの夕食を持って帰れるようにしてくれていた。
疲れてるなら家に帰って大人数の夕食作るよりは楽だろうと、晴樹なりの気遣いだったのだが‥
「‥‥‥
苗?‥旨いか?」
晴樹は料理が運ばれてきても、あまり手の進まない苗に尋ねる
「中華は苦手か?」
「ううん、そんなことないだょっ」
そう言ってぎこちない笑顔を作り無理矢理、口に料理を運ぶ苗を晴樹はジッと見つめる‥
‥やっぱり、元気がないな‥
料理を前にして元気のない苗を晴樹は気に掛けていた。
そして、店の者を呼ぶと持ち帰りで注文した品物を急ぎで作るよう頼んだ。
「苗、」
お皿を見つめ、チビチビと口に料理を運ぶ苗に晴樹は呼びかける
「タクシー呼んでやったから家帰ってゆっくり食え‥な」
出来あがった持ち帰りを手にした晴樹に言われ苗は頷いて席を立つ