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君に熱視線゚
第41章 心の変化(苗の異変)
そして二人で店を出ながら晴樹は苗の様子を伺っている。料理を前にしても、持ち帰りを手にしても笑わない苗を晴樹はこの時、初めて見たのだ‥
「じゃあみんなによろしく、言って。」
買い込んだ荷物をタクシーのトランクに移し晴樹はタクシー代を苗に渡す‥
「誘っといてほんとにごめんな‥
今度は二人でゆっくり映画行こうな‥。」
苗の頭を撫で少し寂し気に微笑む晴樹に苗も頷き返す
「今度」があるかどうかもわからない。
果たせないかも知れない約束‥
「じゃあ運転手さんお願いします。」
晴樹は運転手に声をかける。そして、走り去るタクシーを見送るとため息をついていた‥
自分と一緒にいて、元気のない苗は出来るだけ見たくなかった‥
話し掛けて無理に作り笑いを返す苗も‥
見たくはなかったのに‥
‥家に帰ってから後で電話してみよう‥やっぱりあの元気の無さは気にかかる‥
晴樹はそう思いながら店の中に戻った
席に着き中断していた食事を続けながら晴樹はリディにも食事中に席を外したことをとりあえず詫びて料理を口に運ぶ。そんな晴樹にリディは言った
「なんか‥あの人って
‥我が侭ね‥」
「──‥!?」