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君に熱視線゚
第42章 すれ違い

「うちの母ちゃんがよ、苗よりもお前ぇのこと心配してやがる。
『晴樹クンの方が繊細だから気になるわ、父ちゃん見てきて!!』ってよ」


「おばさんが?」

「ああ‥

まぁ、来てみてよかったがな」


「‥ご心配お掛けしてすいません…」


目頭に滲んだ涙を誤魔化すように拭い、満作が病室に来た理由を知らされ晴樹は申し訳なさそうに詫びていた

「今日は、母ちゃんもこっちに泊まりだし後のことは看護の姉ちゃんがやってくれるから、お前ももう家に帰れ‥
んで明日、苗を迎えに来てくれりゃ俺も助かる!」

「わかりました、迎えなら俺に任せてもらえれば‥
今日はホントにご迷惑をかけてすいませんでした。」


堅苦しく頭を下げる晴樹の肩を叩くと満作は笑いながら礼をいう

「なぁに、こちとらお前さんには感謝してんだ。
じゃあ明日は頼んだからな!!」


ニヤリと満面の笑みを浮かべ手を振る満作の背中を見送ると、晴樹は少し楽になった表情でベッドの上の苗を覗いた。

薬が効いているのか、男同士の会話にも気づかずぐっすりと眠っている‥

紅い頬を手の甲で撫で、晴樹はじんわりと汗ばむ苗の額にキスを落とした

唇を離し苗の寝顔を暫し見つめる

「苗‥
明日は一緒に帰ろうな」


柔らかい手をぎゅっと包み込むように握りもう一度頭を撫でると、名残惜しそうに苗を何度も振り返りながら晴樹も静かな病室を後にした‥

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