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君に熱視線゚
第43章 距離…
ポツリと呟く姉の独り言に陸が反応を示す
〃大ちゃんに頼んだから〃
忙しいだろうから当分はあまり晴樹に頼れない。
そう思って言った嘘だったのに‥
‥〃忙しい〃なんてはっきり言われたら引くに引けないだょ
気を使って言った言葉に
〃俺も忙しいしな〃
晴樹はそう返した。しかも
〃今度から夏目に頼むか〃
こんな言葉まで…
はっ──もしかすると兄さん、大ちゃんに苗を押し付けようと思ったんじゃっ…
ジャジャジャじゃんっ
‥しょんな…
青ざめた苗の頭の中でベートーベンの『運命』が鳴り響く
「おい‥姉ちゃんが考え込んでるぞ」
「病院代が高かったんかな?久しぶりに、勘定ババァぶり発揮か!?」
病院から帰って来るなり難しい表情で考え込む苗を見て海と陸がボソボソと語る。
そんな浅読みの二人の会話に策士の空が口を挟んだ
「――俺は‥違うと思うね。
あの表情はまさしく‥」
「〃まさしく〃なんだ?」
単細胞の二人が声を揃え聞き返す
そんな二人に策士、空は腕を組み語る
「あの表情は‥
――――恋だ」
「…恋!?」
空の答えに二人は顔を見合わせた。そして空は得意な顔で語り出す