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君に熱視線゚
第45章 恋の片道切符


「どうした?…もう飽きたか?」

話掛ける晴樹に苗は首を振って笑顔を向けた


「…ここ、いいね……


また兄さんと来たいだょ」

「───…」

晴樹は目を見開いた。

期待もしていなかった言葉…

せっかく落ち着いた鼓動が再び脈を早らせる


‥なんで今になってそんなこと‥っ‥


晴樹の大好きな笑顔を向け、そしてずっと晴樹が望んでいた言葉をさらりと苗は言ってくれる


どんなに気持ちを抑えてもそんな顔して‥
そんな言葉を言われたらッ

‥諦めろって方が無理に決まってんだろ──!!


「‥苗ッ!」

「うぁっ‥」


突然強く抱きしめられ、苗は晴樹の胸に顔をぶつけて一瞬もがいた

「苗ッ‥

なえ‥‥‥っ‥」


胸が熱すぎて息が出来ない

抱きしめた苗の後頭部を包み込み愛しむように掻き乱す。
苗の背中に回した腕も行き場を見つけられず小さな背中を泳ぐことが精一杯だった‥


「苗っ‥」

息苦しさでかすれる声に呼ばれ苗は顔を上げる

指先に絡まる艶やかな黒髪を優しくとかしながら晴樹は苗の顔を覗き込んだ‥


今まで何度も繰り返された光景‥


‥ぅあ‥//く、くるッ──


この先が予想でき、一瞬苗は身構えた。


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