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君に熱視線゚
第45章 恋の片道切符

「苗、冗談だよ‥今のはほんの冗談。」

呆気にとられた苗の肩を叩き落ち着かせるように晴樹は笑顔を向けた…

「よし、もう帰ろう‥

俺も明日から忙しいし…
な!ほら。」

「‥ぅ兄さん?」


呆然と立ち尽くす苗を急かし、晴樹は楽しそうに笑っている


とても楽しそうに‥

晴樹は必死で笑顔を作りその場を演じていた‥

もうそうするしかない‥

きしむ胸の痛みを誤魔化すには‥

自分自身を笑うしか…

そうするしか──‥

晴樹にはそれしか手段が思い浮かばなかったのだから…


車を運転する晴樹の横でサイドミラーを覗きながら、苗は口を尖らせる。

「兄さん」

「ああ?なんだ?」

「そんなに苗の顔は笑えちゃうだかね?‥//」

「‥‥!?


さっきのは冗談だよ!ククッ‥」

「‥っ‥//」


否定しながらも思い出したかのように笑う晴樹に苗は少し怒っている


‥そんなにおかしいのかな?

苗は怒りながら不安になっていた…


‥く、暗くてよく見えないだょ


走行中の暗い車内から苗は一所懸命ミラーを覗く‥


「何やってんだよ?」

晴樹は隣で不可解な動きをする苗に声を掛けた。


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