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君に熱視線゚
第50章 番外編
向こうでの仕事が軌道に乗って帰ってきたら苗との新婚生活が始まる…
毎日が苗との幸せな時間…
そんな思いを胸に、終始笑顔の晴樹。
式も最後を迎え、会場の外で招待客を見送り挨拶をしながら握手を交わす、そんな晴樹の手を最後尾から歩いてきた少年がしっかりと握り返していた。
去年の夏に会った時よりも更に身長が伸びている…
「お、前…」
「お久しぶりです。結城さん…」
ガッシリと握った手に力を込める。ちょっと笑った表情が何だか気に入らない…
「苗も、おめでとう」
「ありがとう悟ちゃん!!」
悟は晴樹の手を握ったまま苗に笑い掛けた。
「結城さんも、おめでとうございます」
「あ、ああ…わざわざ遠い所から…」
「いえ、せっかくの祝い事だし。こっちで手続きとか色々あったんで…俺の父さんも来てるんですよ」
…手続き?
田中家の親類として招待された東郷家。悟の目配せした方をみると、晴樹の父。智晴と離れた場所で親しげに談笑している悟の父、一成の姿が目につく。
「結城さんもまたすぐ、向こうに戻るそうですね」
「ああ…」
何だよその笑い方は…
大人びた綺麗な敬語を使い、悟は意味深な笑みを浮かべる。