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君に熱視線゚
第50章 番外編

小さな頃から社交の場に慣らされていたせいか、この場で見る悟はとてもしっかりとした跡継ぎに見える。

学生服のブレザーを着てエンジ色のネクタイを締めた悟を見て、晴樹は視線を止めた。


あれ…このブレザー…ってうちのじゃ・・・


「結城さん。俺もようやくこっちにこれたし…向こうにいる間、苗のことは俺に任せてください」

結城の制服に気付いた晴樹を確認して言った後に悟の口端がゆっくりと上がる。

何かしらの思惑を含んだ笑み。


こっちにこれたって…

まさかっ…


“いずれ近いうちにそっちに行きますから”


田舎からの見送りにきた際に、駅で余裕の笑みを浮かべた悟から告げられた言葉…


短絡的でガキな夏目よりも遥かに悟はしたたかな策士だ…


「じゃあ向こうで呼んでるんで…苗もまた、後でな」

「うん。後でね!」


父親に呼ばれ、周りの大人に紹介されながら臆さずに堂々挨拶している悟の後ろ姿を眺め、晴樹は嫌な予感にさいなまれていた…


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