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君に熱視線゚
第50章 番外編
ベッド脇の棚には苗が置いたらしい、二人で写した写真が飾ってあった。
苗と過ごした時間が思い出になって…
これから少しずつ、この空間を彩っていく…
色褪せることのない思い出。
時間が経過する度にきっとそれは眩しいほどの輝きを増す筈で……
「苗…」
「……ん…」
「水、飲めるか?」
もごもごと口を動かす苗を抱き起こすと晴樹は自分の口に水を含んだ…
冷たい水が晴樹の口の中でほどよい温度に変わり、苗の小さな唇へと流し込まれる…
「…んっ…む…っ」
口移しで与えられる水を少しずつ飲み込む度にゴクリと苗の喉が鳴る。
注ぐものが無くなると、晴樹は苗の口にそのまま濡れた舌を入れていた。
そっと緩んでいく唇。
晴樹はその奥へと舌を差し込む。
苗の背中を支え、空いた手で苗のぽわっとした温かい手を絡め取ると冷たかった舌が直ぐに熱を取り戻し、晴樹は唇を交差しながら甘い息を吐いた。
「…苗……」
何度も諦めた苗とのこの瞬間。
唇を離すと少し酔いの覚めた苗は照れながらも晴樹の手を握り返す。
晴樹はそんな苗を見つめた…