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君に熱視線゚
第50章 番外編

苗の微かに甘さを含む声に、晴樹の呼吸が乱された。

「兄さ、…」

緊張して上擦る声がする。

「兄、さんっ…」


夢中で苗の肌をまさぐり始めた晴樹には苗の囁きは少し遠い…

「…に、…兄さ、…」

「…っ……な、え…っ」

胸元に何度も唇を押し充てる。

興奮し過ぎて疼く胸が堪らなく苦しい―――

晴樹はそんな自分の想いを解放したくて苗の背中に手を回した。

――!

「うぁ…っ」

身投げの思いで覚悟を決めた筈なのに…
やっぱり怖さが増してくる。

ワンピースのファスナーに晴樹の手が触れた気配がして思わず苗の腕に力が入った。

チー…とゆっくりとファスナーが下ろされていく。


「…なえ…っ…」


弛んだ苗のワンピース。晴樹はそれを目にすると抑えきれずに途中までファスナーを下げたまま、肩に掛かる袖を脱がし掛けた。


「やっ、やっぱりっ!…」

「………っ…なえっ?…」


「や、やっぱり…」

腕を突っぱねて晴樹の動きを遮った苗を、晴樹も驚いたように見つめる。

「やっぱりって…」

今度はなんだよっ…

心臓も苦しくて痛い…

アレも、はちきれそうでもっと痛い…

半ば恨めしげに晴樹は苗を見る。

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