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君に熱視線゚
第51章 番外 後編
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「お、来たかマシュー!」
店のカウンター席には貴志が早々と座っている。カウンターの真ん中には貴志個人名の豪勢な胡蝶蘭が飾ってあった。
席を進められて貴志の隣に座ると苗はアザだらけの貴志の顔を眺めた。
「どしちゃったのそれ?」
「お前の旦那の仕業だよっ!!」
「兄さんの!?」
貴志はチッと顎をしゃくって舌打ちすると頬杖ついて不貞腐れた顔を見せた。
理由を言うのも馬鹿らしい。貴志はそんな表情をしている。
貴志の生傷は初夜の日に、晴樹が酔っ払い貴志をタクシーに乗せる際、マンションの通路を引きずりぶつけ回ってデキタ傷だった──
ここは本日、新開店の「居酒屋ぜん爺」
藤代組を解散した際、極道から足を洗った元、板前職人の文司さんの為に、藤代の御大が出資して出したお店だった。
「文サン、おめでとう!」
夢だった自分の店を持てて、祝いの花を差し出す苗に文さんは嬉しそうな笑みを返す。
「お嬢も結婚したんだってな!おめでとう!」
そんな文さんに並んで武も祝いの言葉を苗に告げた。
「お嬢──幸せになってください」
お嬢は人妻になっちまったんですね…
照れ笑いする苗を武は見つめる。
高校生の幼妻──
青年誌漫画にでてきそうな響きに武はちょっとだけ胸を疼かせていた…
「お、来たかマシュー!」
店のカウンター席には貴志が早々と座っている。カウンターの真ん中には貴志個人名の豪勢な胡蝶蘭が飾ってあった。
席を進められて貴志の隣に座ると苗はアザだらけの貴志の顔を眺めた。
「どしちゃったのそれ?」
「お前の旦那の仕業だよっ!!」
「兄さんの!?」
貴志はチッと顎をしゃくって舌打ちすると頬杖ついて不貞腐れた顔を見せた。
理由を言うのも馬鹿らしい。貴志はそんな表情をしている。
貴志の生傷は初夜の日に、晴樹が酔っ払い貴志をタクシーに乗せる際、マンションの通路を引きずりぶつけ回ってデキタ傷だった──
ここは本日、新開店の「居酒屋ぜん爺」
藤代組を解散した際、極道から足を洗った元、板前職人の文司さんの為に、藤代の御大が出資して出したお店だった。
「文サン、おめでとう!」
夢だった自分の店を持てて、祝いの花を差し出す苗に文さんは嬉しそうな笑みを返す。
「お嬢も結婚したんだってな!おめでとう!」
そんな文さんに並んで武も祝いの言葉を苗に告げた。
「お嬢──幸せになってください」
お嬢は人妻になっちまったんですね…
照れ笑いする苗を武は見つめる。
高校生の幼妻──
青年誌漫画にでてきそうな響きに武はちょっとだけ胸を疼かせていた…