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君に熱視線゚
第52章 君に熱視線゚〜愛の鈍行列車〜
・
N校舎の一年は今年から一般生徒の男女を受け入れ共学となっている。
新しい教室に配られたばかりの新しい教科書──
そして顔馴染みのクラスメート達……。
クラス替えもないまま苗達は二年に進級していた為に、自己紹介も何もない。
「まあ、女子だけだからね…クラス替えあったって楽しみも何もないっしょ?」
口にしながら椅子で立て膝付くと机に肘を掛けて頭を掻く。
N校舎二年の女子の振る舞いはまるで何処かのオヤジと変わらない。
「せっかく近くにお坊っちゃん達が居るってのに校舎がこんなに離れてるんじゃ…あたしら、卒業まで隔離されたも同然よね〜…」
相づち打つと愚痴りながら眉毛を毛抜きで抜いて顔をしかめた。
隔離か捕獲か──
ある意味校舎が離れているのは飢えた女豹に咬まれぬよう保護されているようなものだ。
そんな空気が一瞬にして乙女の世界に塗り替えられる。
「苗、帰るぞ!」
教室の前のドアと後ろのドアから全く同じ言葉で呼び掛ける。
教室を覗いた二人の男子学生に、脚を開いて座っていた女豹達は咄嗟にしなをつくって膝を組んだ。
中島達は久し振りに現れた晴樹を遠目に見つめる。
そして晴樹は目を見開いて後ろのドアに顔を向けていた──
「……っ…」
なんでお前が迎えに来る!?
悟を見る晴樹の目がそう訴える。
思いきり表情の険しくなった晴樹を無視すると悟はもう一度苗に声を掛けていた。
N校舎の一年は今年から一般生徒の男女を受け入れ共学となっている。
新しい教室に配られたばかりの新しい教科書──
そして顔馴染みのクラスメート達……。
クラス替えもないまま苗達は二年に進級していた為に、自己紹介も何もない。
「まあ、女子だけだからね…クラス替えあったって楽しみも何もないっしょ?」
口にしながら椅子で立て膝付くと机に肘を掛けて頭を掻く。
N校舎二年の女子の振る舞いはまるで何処かのオヤジと変わらない。
「せっかく近くにお坊っちゃん達が居るってのに校舎がこんなに離れてるんじゃ…あたしら、卒業まで隔離されたも同然よね〜…」
相づち打つと愚痴りながら眉毛を毛抜きで抜いて顔をしかめた。
隔離か捕獲か──
ある意味校舎が離れているのは飢えた女豹に咬まれぬよう保護されているようなものだ。
そんな空気が一瞬にして乙女の世界に塗り替えられる。
「苗、帰るぞ!」
教室の前のドアと後ろのドアから全く同じ言葉で呼び掛ける。
教室を覗いた二人の男子学生に、脚を開いて座っていた女豹達は咄嗟にしなをつくって膝を組んだ。
中島達は久し振りに現れた晴樹を遠目に見つめる。
そして晴樹は目を見開いて後ろのドアに顔を向けていた──
「……っ…」
なんでお前が迎えに来る!?
悟を見る晴樹の目がそう訴える。
思いきり表情の険しくなった晴樹を無視すると悟はもう一度苗に声を掛けていた。