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君に熱視線゚
第52章 君に熱視線゚〜愛の鈍行列車〜
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「うわ、あの人……」
新入生達は晴樹を目にして色めきたった──
モデル顔負けのスタイルに加え、ヘーゼルブラウンの髪色は春の光陽に溶けるように目映い輝きを放つ。
うちの制服を着ているが何年生なのだろうか──…
「王子様みたい…」
誰ともなく皆がそう口にする。長い足で歩くその姿を赤い顔で見つめ、一年生達は声を潜めて晴樹が何者なのかを探っていた。
「苗!」
「あ、兄さんいつの間にっ?」
周りが直ぐに晴樹の存在に気付く中、苗はやっぱり晴樹に疎い。
そんな苗の後ろ姿をいち早く見つけて声を掛けた晴樹を振り返り、苗はその手元を確認した。
「あれ、お土産は?」
「家に置いてきた。…てか、真っ先に逢って他に言うことはないのかお前はっ」
白い目を向けて苗を見る。
相変わらずな苗に晴樹は呆れながら少し悲しかった。
周りはそんな苗と晴樹を不思議そうに眺めていた。
二人が婚約した事実は披露宴に招待された由美達と、悟しかまだ知らない。
よって、相変わらず苗を猫っ可愛がりする晴樹を周りは未だに理解不可能な顔で見守っている…
三年に進級し、卒業したお嬢軍団の束縛から解放されて幾分か自由になった晴樹。
そして二年に上がった二ノ宮の女豹──女生徒達。N校舎は進級しても女子校のまま、男日照りが続いていた。
「うわ、あの人……」
新入生達は晴樹を目にして色めきたった──
モデル顔負けのスタイルに加え、ヘーゼルブラウンの髪色は春の光陽に溶けるように目映い輝きを放つ。
うちの制服を着ているが何年生なのだろうか──…
「王子様みたい…」
誰ともなく皆がそう口にする。長い足で歩くその姿を赤い顔で見つめ、一年生達は声を潜めて晴樹が何者なのかを探っていた。
「苗!」
「あ、兄さんいつの間にっ?」
周りが直ぐに晴樹の存在に気付く中、苗はやっぱり晴樹に疎い。
そんな苗の後ろ姿をいち早く見つけて声を掛けた晴樹を振り返り、苗はその手元を確認した。
「あれ、お土産は?」
「家に置いてきた。…てか、真っ先に逢って他に言うことはないのかお前はっ」
白い目を向けて苗を見る。
相変わらずな苗に晴樹は呆れながら少し悲しかった。
周りはそんな苗と晴樹を不思議そうに眺めていた。
二人が婚約した事実は披露宴に招待された由美達と、悟しかまだ知らない。
よって、相変わらず苗を猫っ可愛がりする晴樹を周りは未だに理解不可能な顔で見守っている…
三年に進級し、卒業したお嬢軍団の束縛から解放されて幾分か自由になった晴樹。
そして二年に上がった二ノ宮の女豹──女生徒達。N校舎は進級しても女子校のまま、男日照りが続いていた。