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君に熱視線゚
第52章 君に熱視線゚〜愛の鈍行列車〜

奥深くにするりと潜り込んだ晴樹の指がゆっくりと苗の熱い所を回游する。

苗はその動きに今にも泣きそうな表情を晴樹に見せていた。

「あっ…っ…」

「……っ…」

晴樹は大きく喉を鳴らした。

何時もの笑わせてくれる泣き顔ではなく、思いきり感じた女の顔を覗かせる苗のその表情に晴樹は眉根を寄せて喉元を熱くした。

感じた仕草に興奮させられる。垣間見えた苗のその顔。からかう筈が自分の方が堪えられなくなっていく。

晴樹は悔しげに顔を歪め苗を抱き締めた。

「なえ…っ…」

久し振りに苗を抱いて我慢する方が無理な話だ。余裕の愛撫なんてできる筈もなく、キスをして軽く触れただけで苗の体がこんなにも自分を求めてくれている。

それを知れただけで想いが溢れかえる。

晴樹は苗の首筋に顔を埋めて身体を重ねる。
制服はいまだ着たままだ。脱がす余裕もないって一体どういうことだ?──

晴樹は自問自答しながらも自分を止めることができなかった。

まるで剥ぎ取るようにして苗からパンツを奪うと晴樹はそれを勢いよくドアに向けて放り投げる。
その途端にカチャリと音がした──

「姉ちゃ…っ…」

顔を出した田中家長男坊。陸の顔に白い三角の布切れが張り付く。

位置が一歩間違えば、三途の川で渡し舟を待つあの世の人だ。

思わぬタイミングで現れた三つ子の登場に、苗の両膝を抱えた晴樹は固まったままだった……。

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