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君に熱視線゚
第53章 恋の修羅場ラバンバ!
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初夏も近くなった午後、外は爽やかな風が吹く。
キラキラと注ぐ木洩れ日は眩いほどに輝いていた。
放課後の屋内プールでは新入生らしき顔ぶれが沢山見られる。夏目の活躍もあったお陰か、今年の水泳部は入部満員御礼を迎えていた。
「夏目! 調子いいな、凄いタイムだぞ!」
プールサイドに上がった夏目にコーチがそう声を掛けてくる。夏目は当然とでも言いたげに余裕の笑みを向ける。
プールのコースに夏目専用のロープを張って、国体に向けての特訓に余念がない。
タイムは順調に伸びている。
夏目は一息付くと、椅子に掛けていたタオルで濡れた身体を拭きながら窓の外を眺め、あっ!と声を上げていた。
「苗ー!」
隣に背の高い男が並んで歩いてる──
見るからに晴樹ではないと確信しながら夏目は人目も気にせず手を振った。
「あ、大ちゃん!」
苗も手を振り返すとこちらに向かって歩いてくる。
一緒に着いてくる男子を何気に気に掛けながら、夏目はふと気づいた。
──…あれ?
あいつ、新入生代表で挨拶してた奴だ……
そう思いながら近くなってくるその相手を見つめ、夏目はハッとする。
「──…っ…」
苗の隣に並ぶ絵姿で夏目は思い出していた──