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エメラルドの鎮魂歌
第6章 招かれざる訪問者
「嫌っ!はなし…て…!い…やっ!」
か細い身体の抵抗など、頑強な若い男の力にかかれば片手で捩伏せられてしまう。

有島は瑞葉の柔らかな薔薇の蕾のような唇に噛み付くような口づけを与え、うっとりと笑った。
…不気味に笑いながら、スラックスの前立てを素早く寛げる。
「…泣かないでください。
私でも貴方に快楽を与えて差し上げられるのですよ…。
…瑞葉様…。私を愛してください…。
私は…貴方にお目にかかった時から…貴方に恋をしているのです。
…貴方の為なら…死んでも構わないほどに…!」
男の硬く昂ぶった牡が、布越しにきつく押し付けられる。

…もう…おしまいだ…!
瑞葉は絶望に唇を噛み締めた。
…八雲…八雲…助けて…!
心の中で、愛おしい男の名前を呼ぶ。


…鋭い銃声の音と…有島が瑞葉の身体の上でびくりと仰け反ったのは同時であった。
「…ッ!」
有島が驚いたように目を見開き、そのまま人形が転がり落ちるように床に倒れこむ。

…見る見る内に、ペルシャ絨毯に紅色の血溜まりが広がる。

茫然と見つめる瑞葉の背後から、冷ややかな男の声が聞こえた。

「…穢らわしい虫ケラめ。
温情をかけて泳がせてやったのに、よくも瑞葉様に手を出そうとしたな…」
猟銃を手に、黒い執事の制服姿の端正な八雲が髪一筋も乱さずに佇み、汚いものを見るかのように動かぬ有島を睥睨していた。

「八雲…!」
はらはらと涙を流す瑞葉に視線を向けると、まるで別人のように蕩けるような優しい笑顔で抱き締めた。
「ご安心ください。貴方を穢す不埒な虫は私が退治いたしました。
…少し時間がかかって貴方を怖がらせてしまいましたね。
…でももう大丈夫です。
これはもう二度と貴方に手を出しませんし、私たちに仇を成すこともありません」
「八雲…。…も、もしかして…」
温かく良い薫りがする八雲の胸からはっと貌を上げ、恐る恐る床の有島を見つめる。

血溜まりの中、溺れるようにうつ伏せに倒れこむ有島はぴくりともしなかった。

「…私が殺しましたから…」

…そう言って、八雲は瑠璃色の美しい瞳で微笑ったのだ。

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