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エメラルドの鎮魂歌
第6章 招かれざる訪問者
寒さと恐怖に震える瑞葉に、八雲は温めたワインを口移しで飲ませた。
親鳥が雛に餌を与えるようにワインを丁寧に口内に送り込む。
「…んんっ…は…ああ…ん…」
アルコールと口づけの酔いはすぐに瑞葉の身体を熱くしたようだ。
冷え切った陶器のような白い肌は、次第に熱を帯びてきた。
それにつれて、立ち昇る芳しい伽羅の薫り…。
八雲の体温も一気に上がる。
情熱的に舌を絡ませ合い、濃厚に求め合う。
泥に塗れた八雲の手が狂おしく瑞葉の髪を弄る。
蜂蜜色の美しい髪と白い頬が泥に汚れて行く様…そのコントラストがあまりに倒錯的で、八雲の牡を痛いほどに刺激する。
…欲情を抑えて、静かに囁く。
「…こちらへ…瑞葉様…」
瑞葉を抱きかかえ、浴室に引き摺り込む。
狂おしく性急に口づけを繰り返しながら、瑞葉の泥に塗れた白いドレスを脱がす。
…この美しい身体を…よくもあの虫ケラは厚かましくも奪おうなどと考えられたものだと、八雲は今更ながらに腑が煮え繰り返る思いに駆られる。
瑞葉はされるがままに素直に従いながら、健気に八雲の衣服をも脱がせた。
…瑞葉の手の泥は八雲のなめし革のような肌を汚した。
二人は生まれたままの姿になり、そのまま白い湯気が立ち込める浴場に入る。
屋敷の浴場は浅間山から引かれた天然温泉の源泉を取り入れている。
その為に一日中、豊かな源泉に溢れた風呂に入ることが出来た。
クリーム色の大理石で出来た広い浴槽に、荒々しい口づけを繰り返しながら瑞葉を引き入れる。
温かな湯に入り、漸く瑞葉の身体が柔らかく弛緩しはじめた。
忌まわしく穢れた泥土を洗い流し、瑞葉の白く輝く美しい肌を取り戻す。
何度繰り返されたか分からない口づけを執拗に繰り返す。
柔らかな薔薇の蕾のような唇が腫れ上がるまで奪い尽くす。
「…んっ…は…ああ…っ…んん…」
苦しげに息を吐く瑞葉を漸く解放する。
…その白磁のように滑らかで美しい頬には、透明な涙が滴り落ちていた。
その涙を指で拭い、八雲は美しい主人を見つめる。
優しく諭すように語りかける。
「…貴方は何も悪くない。
すべての罪咎は、私にあるのです。
…私が地獄にまいります」
瑞葉が激しく首を振った。
濡れたエメラルドの瞳が瞬きもせずに八雲を見つめ返した。
「…僕も行く…。お前が行くところはどこまでも…。
…地獄だって何処だって…永遠に一緒だ…」
親鳥が雛に餌を与えるようにワインを丁寧に口内に送り込む。
「…んんっ…は…ああ…ん…」
アルコールと口づけの酔いはすぐに瑞葉の身体を熱くしたようだ。
冷え切った陶器のような白い肌は、次第に熱を帯びてきた。
それにつれて、立ち昇る芳しい伽羅の薫り…。
八雲の体温も一気に上がる。
情熱的に舌を絡ませ合い、濃厚に求め合う。
泥に塗れた八雲の手が狂おしく瑞葉の髪を弄る。
蜂蜜色の美しい髪と白い頬が泥に汚れて行く様…そのコントラストがあまりに倒錯的で、八雲の牡を痛いほどに刺激する。
…欲情を抑えて、静かに囁く。
「…こちらへ…瑞葉様…」
瑞葉を抱きかかえ、浴室に引き摺り込む。
狂おしく性急に口づけを繰り返しながら、瑞葉の泥に塗れた白いドレスを脱がす。
…この美しい身体を…よくもあの虫ケラは厚かましくも奪おうなどと考えられたものだと、八雲は今更ながらに腑が煮え繰り返る思いに駆られる。
瑞葉はされるがままに素直に従いながら、健気に八雲の衣服をも脱がせた。
…瑞葉の手の泥は八雲のなめし革のような肌を汚した。
二人は生まれたままの姿になり、そのまま白い湯気が立ち込める浴場に入る。
屋敷の浴場は浅間山から引かれた天然温泉の源泉を取り入れている。
その為に一日中、豊かな源泉に溢れた風呂に入ることが出来た。
クリーム色の大理石で出来た広い浴槽に、荒々しい口づけを繰り返しながら瑞葉を引き入れる。
温かな湯に入り、漸く瑞葉の身体が柔らかく弛緩しはじめた。
忌まわしく穢れた泥土を洗い流し、瑞葉の白く輝く美しい肌を取り戻す。
何度繰り返されたか分からない口づけを執拗に繰り返す。
柔らかな薔薇の蕾のような唇が腫れ上がるまで奪い尽くす。
「…んっ…は…ああ…っ…んん…」
苦しげに息を吐く瑞葉を漸く解放する。
…その白磁のように滑らかで美しい頬には、透明な涙が滴り落ちていた。
その涙を指で拭い、八雲は美しい主人を見つめる。
優しく諭すように語りかける。
「…貴方は何も悪くない。
すべての罪咎は、私にあるのです。
…私が地獄にまいります」
瑞葉が激しく首を振った。
濡れたエメラルドの瞳が瞬きもせずに八雲を見つめ返した。
「…僕も行く…。お前が行くところはどこまでも…。
…地獄だって何処だって…永遠に一緒だ…」