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エメラルドの鎮魂歌
第6章 招かれざる訪問者
端麗な彫像のように美しい貌に冷たい微笑みが浮かんでいた。
「…きっと貴方は、私に心配を掛けたくなかったのでしょう」
男の長い指が瑞葉の白い頬の稜線を優しくなぞる。
「…んっ…」
しかし、その深い瑠璃色の眼差しは氷のように冷ややかだ。
「…貴方は本当に愚かだ…。
私に隠し事など、できるはずもないのに…」
滑らかなベルベットのような声…。
長い睫毛を震わせて眼差しで、謝る。
「…貴方があの男に情事を覗かせ…快楽を得ていたことも…隠しきれたと思っておられるのでしょうね」
瑞葉は息を呑み、思わず男の牡を唇から外しそうになった。
すかさず強い力で喉奥に押し込まれる。
「…んんっ…!…」
「…もう二度と勝手なことをしないように…今日は厳しいお仕置きをしなくてはなりません。
それから…あんな下劣な男に情事を覗かれ、感じてしまわれた淫らな貴方に…。
…もう二度と…私以外で快楽を得ないように…」
…私が、貴方を躾けます…。

苦痛と恐ろしさと…それに勝る甘く膿んだぬるりとした悦楽に…滲む涙越しに見上げた八雲の貌には、うっとりするような優しい微笑みが浮かんでいたのだ。
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