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愛のムチ
第2章 練習試合


   
 思い切って行こう!

 しっかりとトスを上げ身体をしならせて渾身の力で打ち込むと、快心の出来栄えのサーブが打てた。


 「おおー!球速っ!」

 「亜美、かっけー」

 
 拍手まで頂いてすっかり嬉しくなったあたしは、下着を履いていないことなどすっかり忘れてサーブ練習に集中できるようになっていた。

 他の部員たちも負けじといい球をどんどん決めていく。


 「うまくなったじゃねえか。格好がどうであれテニスに集中することが一番大切だから忘れんな」


 「はい!」


 和馬先輩の言葉に清々しい気持ちで返事をする。

 本当に先輩の的確なアドバイスには脱帽する。もっと色々教えてほしいな。

 そんなことを考えていたら先輩はさらなる指導案を提示してきた。


 「サーブも大事だけど、他の技も磨かないと試合には勝てねえからな。
 俺だけじゃ全員をきっちり指導しきれないから助っ人を呼んだんだ。
 これからしばらく男子とペアを組んで個別レッスンをしてもらう」


 見に来ていた先輩たちはコーチを頼まれていたんだ……

 和馬先輩に負けず劣らずテニスが強い先輩ばかり。


 「俺の見立てでペアを組んだ。得意を伸ばす、苦手を克服する、メンタルを強くする……
 お前らひとりひとりが抱える課題を解決してくれそうな男子をつけたから」


 和馬先輩は部員と男子の先輩の組み合わせを発表する。


 「1か月後、男女ペアで試合してどれだけ成果が出たか見てみよう。じゃあそれぞれのペアに別れてそのまま解散!」


 あたしとペアを組むのは……  
 

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