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愛のムチ
第3章 秘蜜の特訓
和馬先輩はバッグの中からタブレットを取り出すと、何やら操作をしはじめる。
あたしはあまり詳しくないから何をしているのかわからずに先輩の指先を眺めているだけ。
「何番がいい?好きな番号、押してみ?」
差し出された画面を見ると、画面が4分割し、それぞれに数字が書いてある。
「2……番かな」
あたしが2という数字を押すと、画面が黒くなり、読み込み中を知らせる円が描かれていく。
動画?なんの??
やがて画面に映しだされたのは、テニスコートを上から撮影したような画像。
「テニスレッスンの動画ですか?」
先輩に聞いてみると
「まあ、そうだな。練習風景ってとこ」
「でも……誰もコートにいない……あ」
画面の端に映ったひとつの人影。コート外で何やら蠢いている。
でも、なんだか変。
ひとりにしては幅?がありすぎるような……結構な巨漢なのかな?
「拡大してみれば?やり方はスマホとかと同じだよ」
言われたとおりその場所を拡大してみるけど、
「……何かわからない」
髪の毛が揺れているように見える。そして頭もふたつあるのかな?ふたりいるのかな?
画像が少し荒くてわかりづらい。
「まだわかんねえの?鈍いやつ。仕方ないな。アングル変えてやるよ…わかりやすいのはここらかな」
画面の端の方のいくつか並んだボタンをフリックすると
「…せ、先輩、これ……」
明らかに絡み合ってる裸の男女。
男性が立ったまま女性を抱えて腰をふっている。女性はしがみつくように男性の首と背中に手足を絡ませている。
女性が喘ぎながら顔をこちらに向けると小さく音声も漏れてくる。
「あっ、あっ、あん!」
よく見知った顔。でも見たことのない恍惚の表情。そして聞いたことのない鼻から抜けるような甘い声。
ふたりの妖艶な姿にごくりと喉が鳴った。