この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
秘めた花は彼の腕の中で咲く
第8章 あの人の事がよく分からない…
繁正さんも1度帰宅するというので、一緒に駅まで歩く。
付き合ってもいない男性と肩並べて歩くのって慣れてないから、変に緊張する…
「今日は君の部署で仕事するんだけど、もしアイツらが何か言ってきたら、俺に教えて」
「えっ?」
「合コン、ドタキャンしただろ?『俺の仕事を手伝ってもらう』って理由でな。昨日のあの調子だったら、君に文句言ってくるだろうな」
昨日聞こえてしまった話を思い出し、ゲンナリする。
合コンに誘ってきた人は私と同じ部署だから、嫌でも顔を合わせる事になる…
「君が気にする必要はない。俺が行かせなかっただけだから」
「はい…」
駅に着いて電車に乗ると、人は居るが座席に座れる程だった。
隣に繁正さんが座ってきて、少し間を空けると、その距離を詰めてきた。
「あの、もうちょっと離れた下さいよ…」
「何で?電車内では詰めて座らないといけないでしょ?」
「まあ、そうですけど…」
私が言いたいのは、恋人じゃないのに隣に座る理由なんて無い事なんだけどな…