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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第8章 あの人の事がよく分からない…
「佐々木さん、昨日はありがとうね。知り合いの君に資料探しを手伝わせてしまって…」
「いえ…」
繁正さんとはそんな仕事はしてないけど、助けてくれてるんだから話を合わせないと…
「大事な用事って…」
「そうだよ、大した事ない用事だけどね。合コンの方が大事だとは気付かずに彼女を借りてしまって申し訳ないね」
「え、えっと…」
繁正さんに迫られて、その人は焦り出した。
親会社から業績アップの為に視察に来てる人から詰められれば、自分の立場が危ういと思ったのだろう。
「ああ、そうだ」
「は、はい」
『昨日、喫煙室で下世話な話してたよね?僕しか聞いてなかったから良かったものの、誰かが聞いて面白おかしく喋ったらどうなると思うんだ…当人へのセクハラに当たるし、場合によったら会社を辞めるかもしれない…責任取れるのか?』
繁正さんがボソボソと話していると、相手の顔から生気が抜けていくような感じがした。
何を言ってるんだろ…
『彼女にきちんとお金を返せよ。今度また同じ発言があったなら、上に通すからな』