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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第8章 あの人の事がよく分からない…

本当の事も言えず、繁正さんが付いた嘘に合わせる。

合コンの主催者らしき人に下世話な話のネタにされ、それを繁正さんに慰めてもらってた…なんて話は親友にも出来ない…
それにあの話は早く忘れたいっていうのもあるから…

「あっ、噂をすれば…」
「?」

けいちゃんが指差した先には、繁正さんと親会社から来た女の人が食事をしていた。
繁正さんが食べていたのは、奇しくも生姜焼き定食…
示し合わせたわけじゃないのに、被ってる…

「なんか、お似合いだよね。あの2人」
「えっ?」
「美男美女で、同じ会社に勤めてるって。絶対付き合ってるでしょー?」

向かい合って座ってる2人をボーッと眺める。
席が離れてるから、どんな話をしているか分からないけど、繁正さんの表情から楽しそうに談笑してるのが分かる。

なぜかそれが面白くないと感じる自分がいる…
昨日の夜は私と居て、身体を触りまくってきたくせに、すぐ次の相手に行くんだと思うと….

(アレ…?何で私がイラついてるの!?)



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