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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第8章 あの人の事がよく分からない…
「おい、そろそろ開店するから、掃除終わらせるぞ」
「はい」
10時になって、お店を開いてお客さんを待つ。
ドアが開くと顔を上げて、お客さんを確認してしまう。
心の何処かで繁正さんが来ないかと期待している自分が居て、複雑な気持ちになった。
何で期待してるんだろ、今日は来ないって言ってたのに…
なんてモヤモヤしていると、次に入ってきたお客さんを見て、店長が少し驚いていた。
「こんばんは」
「アレ?茜か!?」
茜と呼ばれた女性は、男女のお客さんを連れていて、店長の前に座った。
下の名前で呼んでいるから、親しい仲なんだろうか…?
「久しぶりだなー。店に来るのは半年ぶりくらいか?」
「そうだね。そうだ、この前のお土産ありがとうね。彼氏と一緒に頂いたから」
店長と話しながら、チラチラと私に視線を向けてくる。
「こちらの方は?」
「最近雇ったんだよ、翔太って言うんだ」
「どうも…」