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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第9章 始めて見た時は、君しか見えてなかった…

休職している頃にようやく自分の中に溜まった姉へのコンプレックスや毒に気が付いた。

…なんで今日はお姉ちゃんを前にして、暗い感情が湧き出てくるの…
最近嫌な事が重なって、ストレスが溜まってるから?

上の階に行き、私が前によく着ていたブランドのお店へ。
店内を見回り、丁寧に畳まれた服に手に取り、目の前で広げてすぐに元に戻した。

胸の前に当てたりするものの、自分に合ってなさそうに見える。
ダメだ、まだ自信が戻ってないや…

服を広げたり畳んだりしている間に、姉は服を何着か選んでくれた。

「これ着てみて」
「えっと…」

背中を押され、試着室に入れられた。

「似合うか似合わないかは着てみてから決めよ」

有無を言わせず、カーテンをシャっと閉めた。
仕方なく、姉が見繕ったものを着用してみることに。

久しぶりにスタートを履いた自分を鏡で見て、違和感を感じてしまった。

いつもパンツスーツで、夜は男装してるもんなー…
休みの日も基本ズボンだし…




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