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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第9章 始めて見た時は、君しか見えてなかった…
「ごめん、おかしい箇所がないか確認したくて」
試着室から出る際、繁正さんにチラチラと視線を送る。
お願いだから、話しかけないで…
「おいおい、あんまり睨むなよ」
「…!!」
お姉ちゃんを前にして、そんな親しげに話しかけないでー!
しかも睨んでない!
「えっ、舞花この方は知り合いなの?」
「いや、えっと…」
「初めまして、佐々木さんの上司の原田と申します」
「あ、どうも。姉の宮嶋 桜と申します。いつも妹がお世話になって…」
にこやかに話す2人を見ていて、いつ男装の話が出されるか気が気でなかった。
姉は私がダブルワークをしているとは全く知らないから…
「……」
「舞花、その服良いよ」
「あ、ありがとう…」
繁正さんの前で褒められると、何だか恥ずかしい…
こんな女の子らしい格好して、繁正さんは変だと思ってるよね。
「うん、佐々木さん似合ってる。綺麗だよ」
「……!!」
「あー、これはセクハラになっちゃうかな?」