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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第9章 始めて見た時は、君しか見えてなかった…
お世辞だとしても、イケメンにはにかみながら「…似合ってる」なんて言われて、顔面が崩壊しないようにぎこちない笑い方になっちゃった…
「なあ、兄ちゃん。これなんてどう?」
隣のカーテンが開き、カジュアルな衣装に身を包んだ男の子が出てきた。
今、繁正さんを「兄ちゃん」って言った?
「ん、良いんじゃないのか?」
「やっぱり?これ買おうかな?」
よく見ると、繁正さんを幼くしたような顔立ちで、可愛い感じ…
「さっきから女の人と話してたけど、この人知り合い?」
「ああ、佐々木 舞花さんと言って、会社の部下なんだ」
「へー、結構親しそうに話してるの聞こえたけど、彼女じゃないの?」
いきなり何を!
繁正さんの彼女だなんて、あり得ないよ!
「んー、どうかなー?」
「ちょっと!」
意味ありげな言い方をする繁正さんに、攻めるような言い方になった。
その言葉に姉も変に納得したように「ああ…」と呟いた。