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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第9章 始めて見た時は、君しか見えてなかった…
「そうだ、本を買おうと思ってるんだけど、時間が掛かるからそれまで別行動しましょ。終わったら連絡するから」
「えっ、ちょっと…」
言い終わると再び試着室に押し込まれて、元の格好に着替えさせられ、姉が見繕った服を全部レジに持って行ってしまった。
そのまま颯爽とお店から出て行き、私は追い掛けるわけでもなく呆然としたまま…
「じゃあ俺も…ゲーセン行ってるわ」
「あんまり使い過ぎるなよ」
男の子を送り出して行った。
「2人きりになれたな、舞花ちゃん」
なんで「彼女じゃない」ってこの人はっきり否定しなかったの…
どうして、休日までこの人と過ごさなきゃならないのー…
お姉ちゃん、変に気を遣わないでよ…
「『俺と一緒に居るのが嫌』って顔に書いてあるね」
「いや、あの…」
ここで機嫌を損ねたら、どんなイタズラをされるか分からないよ…
「まあ、俺は嫌じゃないけど」
「何ですか?」
「いや、こっちの話」