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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第9章 始めて見た時は、君しか見えてなかった…
「舞花…」
「あっ…」
行き交う車をボーッと眺めていたら、姉に探し当てられた。
「よくここに居るって分かったね」
「そりゃあ、分かるよ。舞花の行動なんて…気まずくなったから帰ろうとしてたんでしょ?」
「……」
何も言えずにいると、隣にやってきて、私と同じように手すりにもたれた。
今、姉はどんな顔をしているんだろう…
怒った顔?
それとも…
「舞花、借金の事なんだけど…」
「……」
「あのね、私は怒ってないよ。ただ、舞花に借金を背負わせたお父さんは許せないから」
お姉ちゃんは私が連帯保証人にされたと思ってるんだ…
「お姉ちゃん、違うの」
「何が?」
「確かに、借金はお父さんが作ったものだけど、最初は私が代わりに返済してたの…」
「どうして…」
「私、昔からお姉ちゃんと比べられてたの。自分でも『何も出来ない子だ』って考えがずっとあったんだ…お父さんの借金を見た時に『何も出来ない大人じゃない、自分だって、誰かの役に立ちたい』って思ったの。だから、1人で頑張って返して、皆に認められたいって…」