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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第9章 始めて見た時は、君しか見えてなかった…
私だって、役に立つと知って欲しかったから…
「馬鹿だね、自分から背負わなくても…」
「借りたお金だから返さないといけなかったから…」
「建前はそれで、本音は私への対抗心だった?」
「うん…」
隣から深いため息が聞こえ、どうしたらいいか分からなくなる…
…自分が原因なのに、これで離れられても仕方ない。
「舞花にしてみたら、『贅沢だな』って思うかもしれないけど…」
「…?うん」
「…私ね、本当は皆から褒められて期待されるの嫌だったんだ…」
「えっ…」
そうだった…のかな?
褒め言葉を掛けられ、頭を撫でられている時、姉はそれを嬉々として受け止めていたように見えていたから…
「小さかった頃は褒められるのは嬉しかったけど、いい子でいさせるために親があれこれ禁止して、自分の好きな事が出来ないのは辛かったな…舞花の身体が弱かったから、余計に熱を注がれてたのかな?
中学生になって反抗期が来ると、イライラするようになって親に反抗さてたなー。可愛い妹が居るのに、頑張っても褒めない、可愛がらない両親が気持ち悪くなって余計にね…」