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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第9章 始めて見た時は、君しか見えてなかった…
その言葉に、これまで抑えていた感情が一気に溢れ出した。
陰で勉強や運動を頑張っていたのを分かってくれる人が居て嬉しかったから…
「ううっ…ありがとう…」
「うん」
「ごめんね、お姉ちゃん。私ずっと…」
「ううん、もっと舞花に親身になってれば良かったのに…ごめんね」
謝りながら涙を流していると、そっと拭って抱き締めてくれた。
しばらくして私が泣き止むと、フワリと微笑んでくれた。
「お腹空いたよね?ご飯食べに行こ?」
「うん」
今日は私のリクエストで、オムライスのお店にした。
「オムライスって久しぶりかも」
「そうだね」
「それより、お父さんの借金ってどうなってるの?」
「私が仕事を辞めた時に伯父さんが代わりに返してくれて…今は伯父さんに返してるの」
「あと…夜の仕事って…」
「夜の仕事」と聞いて水商売をしていると勘違いしたのだろう。
苦い表情をする姉にバーで働いているを伝えた。