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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第9章 始めて見た時は、君しか見えてなかった…
もちろん、男装して働いている事は伏せて。
話し終えると、姉は心配そうにこちらを見る。
「バーって本当に大丈夫なの?お酒を飲む所だから、酔っ払ったお客さんだとトラブルに巻き込まれない?」
「迷惑なお客さんがたまに来るけど、店長割と強くて私は怪我とかしてないよ。それより、お姉ちゃんって心配性なんだね」
「当たり前じゃない。もしかして心配してたの舞花には届いてなかった?」
今までは捻くれた考えがあって、素直に心配してくれているのに気付かなくて、「あはは…」と苦笑いしか出来なかった…
サラダが運ばれてきて、会話が途切れて黙々とサラダを食す。
「借金の事なんだけど。舞花ばっかりに負担かけるわけにはいかないから、私も今後はお金返していくね。これは決定だから」
「ええっ!?」
姉の申し出は有り難い反面、受け入れてしまって良いのかと内心悩む。
姉も働いているとはいえ、家庭があるのだから…