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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第9章 始めて見た時は、君しか見えてなかった…
「大丈夫だよ、私1人で…」
「またそうやって遠慮する!元はと言えば、お父さんが作った借金だから、娘である舞花は返してるんでしょ?私だって娘なんだから、きちんと伯父さんに返す義務はあると思うの」
オムライスが運ばれてくるが、手を付けずに話し続ける。
「うん…でもお姉ちゃん、家にお金入れないと…」
「そこは大丈夫。毎月ドンと返せるわけじゃないけど、家計の負担にならない、借金に充てられる程のお金は私の給料から出すから。智くんにはきちんと話すからね」
「分かった、ありがとう。よろしくお願いします」
借金の話が終わり、ようやくオムライスを食べる。
トロトロの卵に、デミグラスソースが絡まって、スプーンが止まらない。
「舞花って、さっきの人とどれくらい仲良いの?」
「さっきの人?」
「ほら、喫茶店で向かい合って座ってた」
「あー…」
繁正さんと居る所見られたんだった…
「あの人は仲良い…ってわけじゃないよ。ただの会社の上司」
「えー、彼氏みたいに見えてたのに…」
「はっ!?彼氏!?」