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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第11章 君に危害が及ぶ前に身体が勝手に動いてたんだ…
「お客さん、他のお客さんのご迷惑になりますから、席を…」
「うるせえ!!」
落ち着かせようと近づいた店長が、激昂している男性に胸倉を掴まれてカウンターへ投げ倒された。
「店長!!」
「うぐっ…」
すぐにカウンターから飛び出して、店長の元に駆け寄った。
「大丈夫ですか?」
「ああ…」
店長の心配をしている間にもトラブルの元の3人は、彼女を取り合っている。
すると、男性は諦めたのか、手を離して女性を見つめた。
「お前、戻ってこないか…?」
「来ない。私にはケンちゃんが居てるから…」
「そうか…面倒くせぇ…コレを使うなんて…なぁ、そいつを刺せば戻ってくるか」
ポケットに手を突っ込むと、黒い長方形の何かを取り出した。
ちょっと待って…何でこの人ナイフなんて持ってるの!?
「おらーっ!!」
振り回したナイフを彼氏は辛うじて避けたが、バランスを崩して床に倒れ込んだ。
「死ね!」
「危ない!」
咄嗟に彼氏の前に飛び出すも、どこも痛くない…
なんと手に持っていたおぼんで奇跡的に跳ね返せたらしい。