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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第11章 君に危害が及ぶ前に身体が勝手に動いてたんだ…
「どけよ」
「…っ」
狂気を孕んだ目で睨まれて、足がすくんで動けない…
この人、本気で殺そうとしてる…
「どかないんなら、お前も刺す」
今のこの人には、説得なんて逆効果になるに違いない…
それに、もしどいたとしてら、後ろの彼氏さんが刺される…
「そうか…お前いい度胸だな…」
「やめてよ!あんたに着いて行くから、人殺しなんてやめて!」
「どうせ、俺は捕まるんだ。その男2人を殺してから、お前を連れて逃げる」
逃げられないよう、お盆を持った方の手首を掴まれた。
逃げようともがいていると、首筋にナイフを当てられた。
ナイフの感触が伝わり、殺される恐怖が湧き上がってきた。
「確実に殺すなら…首を狙うのが良い…」
や、やだ…まだ死にたくない…
まだ楽しい事全然出来てないのに…
瞼をキツく閉じ、歯を食いしばる。
……アレ?痛くない?
悲鳴も聞こえない、どうなってるの?
「う、ぐうっ…」
「…何してんだよ、おい」